5.  問題点と注意点(V1.10で加筆)


震災、洪水などの避難生活時などでは皮膚の変化にまで至らないかも知れません。非常時に衛生を保つという1点に絞って実行しましょう。皮膚の恒常的変化を除く、様々な効果が始めたその日から現れます。以下は、皮膚が自浄作用を取り戻し、もう元には戻らないほど変化するまでについて考察しています。

農業でのEM使用にあたってEMの生みの親、比嘉教授のアドバイスがあります。


『EMは効くまで使え』


このアドバイスはそのまま人間や生き物の皮膚全般にも当てはまります。人間の皮膚も多数の活性常在菌によって守られているからです。田畑にはその土地特有の土着菌が優勢になるまで、EMを与え続けます。皮膚にもその人特有の常在菌が優勢になるまでEMを与え続けなければなりません。活性化した常在菌が優勢になったあとも、優勢を維持するためにEMを適宜補充する必要があります。

(V1.10で加筆します。複数の無浴法体験者の報告によれば、EM塗布の間隔は次第に広がっており、よい水で簡単に体を拭うだけで、同じ効果が持続する、もしくはそれさえもしないで皮膚はいつもつやつやして垢や汚れを見ないということです。常在菌も含めた皮膚の自浄力が完全に回復して安定しているのでしょう。こうなったら、一月も二月も、一年でも二年でもEM塗布の必要はないでしょう。バランスが崩れたと感じた時に塗布するだけでいいと思います。)


化学薬品、石鹸、合成洗剤、界面活性剤など平行使用するといつまでも効果が現れません。環境に悪いものは皮膚にも悪いのです。くれぐれもご自分の身をもって効果を確認してください。そのためにはとぎ汁発酵液による毎日の洗顔から始めるのがいいでしょう。


農薬や化学肥料により傷んだ田畑同様、私たちの皮膚は化学物質や紫外線などで知らず知らずのうちにあまりにも激しく傷んでいます。人によって、また場合によって異常な刺激を感じたり、皮膚に異常が出たりする可能性があります。私の場合試行錯誤でしたので、当初強く拭いて汚れを落とそうとしました。こすりすぎて皮膚が傷み、EM稀釈液が肌に滲みたので誤りに気づきました。筋力のない妻のやさしいやり方のほうが早く効果を現したのです。実行開始後体中の毒が出るような不快な時期もありました。今思うといわゆる好転反応だったのでしょう。今後専門家も交えた現場での適用報告や研究報告を期待いたします。


すぐにEM無浴法に移行できる方もいらっしゃるでしょうし、なかなか難しい方もおられるでしょう。異常があれば中止し、くれぐれも無理はなさらないで今後の症例の報告や研究の発展を待ってください。いずれ常在微生物との共生以外に、人間の皮膚の健全性を保つ道がないことが証明されるはずですから。

介護と無浴法(V1.10で加筆)

無浴法は、お風呂に入りたくても入れない病気の方や、介護を受けている方など寝たきりの方に福音をもたらすと、特筆大書したかったのですが、意外なことに多くの抵抗に出会いました。

お風呂は欠くことのできない楽しみや生き甲斐であるというのです。そのような人から、お風呂の楽しみを奪うのは虐待ではないか、という疑問が残ります。介護などの場合本人の意思を尊重すべきなのでしょう。

更にやっかいなのは、介護がビジネス化していることです。確かに無浴法は入浴の介添えという重要な介護ビジネスの一部を無効にします。無浴法を介護の一形態に取り入れて頂くことを関係機関に働きかける必要があります。これは看護に明け暮れている私には荷が重すぎます。

思えば、一人で、誰の世話にもならずに、寝たきりでも体の清潔さを保つことが出来る。これが無浴法開発の目標でした。そしてそれは成功し、人体が自浄作用を持っていることが明らかになりました。

ベッドの中で、タオル1枚を用意してEMを皮膚に塗布するだけでいいのです。服を脱ぐ必要もなく、布団を剥ぐ必要もありません。血行は良くなり、長い寝たきりの疲れも恐らく緩和されます。何より、人の崇高な自尊自立の精神を尊重することが出来ます。

やがて無浴法への理解が広まるにつれ、実行する人が増えてくれることを信じつつこの分野にはあえて深入りは避けることにしました。

どうかこのサイトをご覧になった方で看護、介護にご縁のある人がお近くにいらっしゃれば無浴法のあることをお伝えくださいますようお願い致します。